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車に乗る際に必ず握るドアハンドル。普段あまり注目をあびる“パーツ”ではないが、実は時代の変化とともに、その主流は移り変わっていた!

ドアハンドルといえば、従来下から引き上げるタイプが主流だったが、今やこのタイプは少数派となっている。なぜ、ドアハンドルの主流が変わったのか? その裏には、意外なメリットが隠されていた。

かつては下から引き上げる「フラップタイプ」が主流だった

かつての国産車は手を下から入れて引き上げる「フラップタイプ」【写真1】のドアハンドルが主流となっていました。

例えば、日産 スカイラインでは1972年に登場した4代目の“ケンメリ”から2001年登場の11代目のV35型スカイラインまでフラップタイプのドアハンドルを採用しています。

ですが、2003年に追加されたV35スカイラインクーペから「グリップタイプ」【写真2】に変更され、以後のV36型スカイラインではセダン、クーペ、クロスオーバーの全モデルでグリップタイプに統一されています。

現行型V37スカイラインもそのクーペ版であるインフィニティ Q60も同じです。

また、クラウンにしても1962年登場の2代目から1999年登場の11代目まではフラップタイプを採用しているのですが、2003年登場の12代目ゼロクラウン以降は、新型の15代目に至るまでグリップタイプになっています。

大衆車にも「グリップタイプ」のドアハンドルが普及

スカイラインとクラウンの2台は比較的上級車ですが、大衆車クラスのスバル インプレッサも1992年登場の初代のみフラップタイプでしたが、2000年登場の2代目以降はすべてグリップタイプとなっています。

また、コンパクトカーのホンダ フィットでも2001年登場の初代と2007年登場の2代目まではフラップタイプでしたが、2013年登場の現行3代目ではグリップタイプに変更されています。

さらに軽でもスズキ ワゴンRが1993年の初代から2003年の3代目までフラップタイプだったものの、2008年の4代目以降はグリップタイプになりました。

グリップタイプのドアハンドル、なぜ増えた?

このように最近の国産車は、バーを握って引っ張るグリップタイプが完全に主流となっています。

広まった背景には、グリップタイプのほうが手を上からも下からも入れることが可能で、ハンドル位置の高さに左右されないことがあるようです。

フラップタイプはSUVなど車高の高いクルマの場合だと、子どもや背の低いユーザーには使いづらいですからね。

また、自動車ジャーナリストの渡辺陽一郎氏は次のように指摘しています。

「メーカーの開発者に聞いたところ、事故が起きた時にドライバーを外から救出する際、ドアハンドルはグリップタイプのほうが人が握った時の力が入れやすいということがあるようです」

「もちろん、それ以外にグリップタイプのほうが、いろいろな方向から手を入れやすいという物理的なメリットもあり、単純にコストが安いということだけではないようですね」

 

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