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ステアリングが軽くてもサスペンションに掛かる負担は大きい!
止まったままでハンドルを切ってタイヤを曲げることが据え切り。今では据え切りという言葉自体死語になりつつある!? 重ステ(パワーステアリングの付いていないクルマ)全盛の昔だと、ダメもなにも据え切りできないクルマが多かった。固めてあるんじゃないかと思えるほどで、体重かけてやっと回せるというのも冗談でなくてもホント。腕もパンパンになったものである。
もちろんサスペンションにかかる負荷は今も昔も変らない。コンパクトカーでも1トン越えの現在。前後重量配分は無視しつつ、1トンだとしても、単純計算でひとつのタイヤには250キロもの重量が乗っかっているわけだ。
それをグリグリとその場でステアリングを切れば、フロントサスペンション各部にかかる負担がどれだけのものか想像が付くだろう。加えて、重ステ時代だと、サスペンションはメンテナンスフリーではなくて、グリースアップしたり、タイロッドのブーツ交換やガタ確認&交換など、柔なもの。だからなおさら、据え切りはダメとされていたのだ。実際、下から据え切りを見てみると、アーム類がしなっていて、心臓に悪いことこのうえなしだった。
もちろん今のクルマは、ショックアブソーバーが10万kmぐらいで交換が必要な程度でメンテナンスフリー化が進んでいる。各部の剛性や強度、耐久性は飛躍的に高くなったので、それほど気にしなくてもいいともいえるが、物理的な負担は変わらないだけにできるだけやらないに越したことはない。
昔よりタイヤのグリップは高いし、パワステのアシスト量も大きいので、じつは負担は増えているとも言える。少しでもいいから移動しながら切ったほうが、トラブルまではいかないにしても、クルマの”健康”のためにはいいのは確かだ。
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